第49章 カウントダウン ☆
松田side
ミコトの料理をたらふく堪能した俺は、満腹すぎてしばらく動けねえぐらいだ。
「やっぱり結構余ったね…
明日、お弁当にしてあげるね」
「いいよ、そのぐらい俺が自分でやるから。
お前はお前の勉強に集中しろ」
ったく、こいつは相変わらず自分のことより俺のことだ。
ミコトが試験に落ちて医者になれず留年…なんて事になったら、俺は困るんだよ。
ミコトと結婚する予定が1年延びちまうから。
そんな独りよがりなことを思っているとは知らないミコトは、ありがとう。と笑って食器を片付けた。
さっきから、時折寂しそうに笑うのは気のせいか…?
萩原の命日が近づいて、ナーバスになってんのかもな。
そう思った俺は、ミコトを元気付けようと冗談混じりに髪を撫でて言った。
「なあ、久しぶりに一緒に風呂入ろうぜ!」
どうせ、やだ!陣平くんのエッチ!なんて言って、1人で風呂場に直行するもんだと思っていた俺。
だがミコトは、少し黙った後俺の瞳をじっと見つめながら返事をした。
「うん。入る」
「へ??」
「陣平くんとお風呂入りたい」
まさかOKだとは思っていなかった俺は途端に焦り出す。
「え、ま、マジで?いいのかよ?」
「なんでよ。陣平くんから言ってきたくせに。
それに、何度も一緒に入ったことあるじゃん」
「や、そうだよな。うん…そうだよ。」
なんつーか、そうなんだけど、こんなにすんなり許可が出たことあったか…?
と、覚えのない展開に戸惑いながらも俺はミコトと一緒に脱衣所へ向かった。