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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第49章 カウントダウン ☆




帰宅して無心になって料理をしていると、陣平くんが帰宅した音が玄関から聞こえた。


「ただいま」


LDKの扉を開けてキッチンに立つわたしを見つけた陣平くんは、サングラスを外しながらわたしの後ろに立つ。


「おっ、おかえり!」

「お、美味そうー。腹減ったぜ」


わたしを後ろから抱きしめて、わたしの肩に顎を乗せて手元を眺める彼。

こんな何気ない仕草も、もう見られないかもしれないとふと心が苦しくなる。


「陣平くんの好きなもの、たくさん作ったよ」

「見たらわかる。けど、作りすぎじゃねえ?
俺のこと力士か何かと勘違いしてんのか?」


そう言われて、キッチンカウンターに並べた料理の数を見ると、とても2人じゃ食べきれない量を無意識に作っていた。


「あ…ごめん。食べられないよね?
実家にお裾分けで持っていこうかな!」

「今から?やめとけやめとけ。
俺、腹減ってるし、残った分は弁当にして明日持ってくからよ。
それでも食い切れなかったら、明後日でも明々後日でも食おうぜ」

「明々後日…」


11月8日も、陣平くんとこのお料理を食べることができる…?
そんな不安がまた押し寄せてくるわたしをよそに、陣平くんは笑いながらわたしの頭をくしゃくしゃに撫でた。


「あんだよ。大丈夫だって、11月だし3日ぐらいもつだろ
俺の身体はそんなヤワじゃねえから」

「…なんか、陣平くんが大丈夫って言えば大丈夫な気がしてきた」

「だろ?ほら、食おうぜ。腹減った」

「うん!」


今のわたしの感情も情緒も、ジェットコースターみたいに激しい。
あれほど、陣平くんを救うと心に何度も誓ってきたのに、いざ日が迫ると怖い。怖くて、たまらない。


わたしの今見てるこの日常が、全部消えてしまうんじゃないか。どうしても、そんな不安がよぎる。


絶対に大丈夫。7日を過ぎて8日も陣平くんと生きてる!
と、根拠のない自信で笑顔になれるほどわたしは強くはなかった。



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