第49章 カウントダウン ☆
勉強を早めに切り上げたわたしは、スーパーに向かった。
明日から明後日の7日当日までは陣平くんは警視庁に泊まり込みだと言っていた。
それなら今日は、陣平くんの好きなものをたくさん手作りしよう。
そう思いながらスーパーのカゴいっぱいに食材を入れていくとき、ふと手が止まった。
こんな…まるで今日が最後みたいな気持ちでいていいの…?
最後じゃない。必ず助けるんだから。
手料理たくさん作るなんてせずに、いつも通りやっぱりお惣菜を買ってきてもらおうか…
そんな時、陣平くんからメールが届いた。
「了解!久しぶりにお前の料理食うの、すっげえ楽しみ」
純粋に心から喜んでくれる陣平くん。
彼はまさか、わたしがこんな気持ちで作ろうとしていたなんて夢にも思っていないだろう。
「…ちゃんと作ってあげなきゃ」
今日はあくまでも普通の日。
いつも通りの陣平くんと過ごす日なんだから。
そう何度も自分に暗示をかけ、中断していた買い物を再開する。
なのに、ふとした時にまた頭によぎる。
こんな風に、彼を思いながら買い物をすることも、彼の好きなメニューを作るのも、これで最後になったらどうしよう。
そんな不安に押しつぶされそうで必死にもがいてた。