第49章 カウントダウン ☆
松田side
あと2日
あと2日で萩原の命日がやってくる。
そして、毎年11月7日に匿名で送られてくるFAX
「3」「2」「1」
まるで爆弾のカウントダウンのようなその数字は、今年はゼロ…
つまり、送り主からの何かしらのメッセージが送られてくるに違いない。
俺たち警察に対する、挑戦状が。
つまり7日は朝から晩まで多忙になることが決まっている。
ってことで、今ある事件は今日明日中に片付けておかなきゃいけねえ。
そんな思いで、俺は珍しく熱心に仕事をこなしていた。
調書もいつもの倍の量は片付けたし、取り調べだっていつもより机を蹴る回数を減らして俺なりに冷静に対処した。
昼飯も食わずに職務をこなす俺を見て、佐藤が少し心配そうに声をかけてきた。
「ねえ、ちょっと休んだら?
朝から少しも休憩取ってないじゃない」
「明後日は忙しいこと確定してるからな。
今のうちに、片付けられることはやってしまいてぇんだ」
「そんなことして、7日が来る前に倒れても知らないわよ?」
「心配ねえよ。今日は定時で上がるつもりだから。
明日は庁内に泊まり込むつもりだしよ」
そう。明日は丸一日家を空ける分、今日はミコトと一緒に過ごしたい。
珍しくそんな気を回した俺は、ぐうぅと低く鳴り響く腹の虫を抑えながら、調書の作成を進めた。