第49章 カウントダウン ☆
無情なもので、多忙を極めていると1日が過ぎるのが一瞬だ。
その一瞬、一瞬を積み重ねて季節は移ろい、今日は11月5日。
運命の7日まで後2日に迫っていた。
目を開けてベッドの中で時計を確認するとまだ朝の4時。
早すぎる起床に、隣で寝ていた陣平くんもつられて寝返りを打ちながらわたしを抱きしめた。
「ミコト…」
半分寝ぼけながら片目を開けている陣平くんは、わたしの頬にキスをしながら言う。
「なんか、最近早起きすぎねえ?」
「そう?」
陣平くんの言うとおりだ。
わたしはここ最近、決まって4時に起きる。
だってもしもあと数日で陣平くんと過ごせるこの尊い日々が終わってしまうなら、寝ている時間が心底もったいなく思うから。
「あんま無理すんなよ?
寝れる時は寝とけ?ほら、後2時間二度寝するぞ」
陣平くんはそう言いながらわたしの髪に顔を埋め、また目を閉じて寝息を立て始める。
あぁ…幸せな朝。
こんな幸せな朝なのに、涙が滲む。
わたしはゆっくりと目を閉じて陣平くんの匂いを嗅ぎながら、無理やり後2時間寝ようとした。
だけどやっぱり眠れなくて、寝たふりをしながら陣平くんの心臓の音を数えてる。
どくんどくんと音を立てて鳴るあなたの心臓。
どうか2日後も…1年後も…ずっと動いていて…