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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第6章 もしも命が描けたら




泣きそうになりながらそう縋るわたしに、陣平くんは電話越しに優しく笑いながら言った。


「本当だ。心配すんな。
…ミコト。
今度の日曜日、会えるか?」

「うん。息抜きに半日程度なら会えるよ?
どうしたの?」

「話があるんだ」


改まってそんなことを言う陣平くんは珍しい。
陣平くんが真剣な声で言う分、わたしは逆に少し笑いながら返した。


「なに?今言ってよー!」

「日曜日のお楽しみだ。
…また、美味いもんでも作ってくれよ。
あ、ヤベ。今から捜査会議だ。
じゃあな、ミコト」


陣平くんは、慌てて電話を切った。


今になって後悔しているのは、どうしてもっと陣平くんに好きだと伝えなかったのか。

あなたがいなくなったら、わたしがどれだけ絶望するか。
陣平くんがわたしにとって、世界で一番大事だよと、伝えればよかった。

兄が死んだ時も同じことを思ったのに、全然学習していない自分に呆れる。



これが、陣平くんと話した最後の会話になるなんて、露ほども思っていたがいなかったから。


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