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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第47章 初めて想いを伝えたあの場所で ☆




突然のその突拍子もない告白に、藍沢先生は数秒目を見開いて口をポカーンと開けてわたしを見たかと思えば、わたしのおでこに手を当てて真剣な表情で言う。


「………お前、頭大丈夫か?切って中見てやろうか」

「結構です!
…信じられないかもしれないけど、わたしの彼は今年の11月7日に、この病院を守るために命を落とすんです。
その彼の命を救うために未来からタイムスリップして来たの。
だから、この病院と出来るだけ関係を持っておきたくて」

「……」

「…信じられないですよね、そりゃ…」


バカだ。何言ってるのわたし…
現実主義を絵に描いたような藍沢先生にこんな話しても信じてもらえるはずがない。

それどころか、一歩間違えれば頭おかしいやつ認定されてしまう。


「や、やっぱりいいです。なんでもない」

「…それで?」

「え?」


驚いて藍沢先生を見ると、先生は平然とした顔でわたしに尋ねた。


「彼の命を救う術は見つけたのか?」

「信じるの?」

「普通は信じない。けど、お前は嘘をつかないだろ。
よく考えてみたら、実習生のくせに妙に現場に馴染むのがはやかったし、手際も良い。
むしろ、タイムスリップして来たと聞いて安心した。
俺の学生時代よりも出来るやつだと思っていたからな」


まさか信じてもらえるとは思っていなかったわたしは、ただただ空いた口が塞がらない。

そんなわたしをジトーッと睨みながら藍沢先生がため息を吐いた。


「お前が言い出したのに、スルーかよ」

「や、ごめんなさい!まさか信じてもらえるとは思ってなかったので」

「で?お前の彼はどうやって死ぬんだ?」

「…この病院にいる大勢の人の命を守るために、爆弾の犠牲になって…殉職しました」

「…そうか。なら、医術では回避できそうにないな。
爆発に巻き込まれると、爆風で臓器が損傷したり、身体が飛ばされて打ち付けて心破裂もあり得る。
そこからの救命率は残念ながらかなり低い。
というか、その彼に説明したらいいんじゃないか?
その日は仕事に行かないでと」


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