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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第47章 初めて想いを伝えたあの場所で ☆




この海で、わたしは初めて陣平くんに好きだと言った。
その時の陣平くんの返事は、ごめん。の一言だった。

けれどそんな彼から、これ以上ない愛の言葉を聞けるなんて。


「っ…わたしでいいの?」

「バァカ。ミコトがいいんだ」


そう言って笑うと、陣平くんはわたしの手を引いて自分の腕の中に閉じ込めた。

久しぶりの陣平くんの腕の中は確かに温かくて、紛れもない現実なんだと思い知らされる。

彼の背中に腕を回すと、また涙が溢れた。


「わたしも…陣平くん以外有り得ない…
大好き。陣平くん、わたしと結婚して?」

「フッ…真似すんなよ」


いつもの調子でわたしに突っ込んだ陣平くん。
抱きしめていた身体を少し離すと、ゆっくりと顔がわたしに近づいてくる。

目をゆっくりと閉じると、彼の唇が重なった。


「…消毒」

「?消毒?」

「あの野郎の感覚、全部消してやる」

「っん…っ」


1度目は触れるだけのキス
2度目は舌を絡めた甘いキス


やっぱり、陣平くんとキスする瞬間が一番幸せで胸がぎゅっとなる。

わたしは仕返しに、陣平くんの身体をこれでもかと言うぐらい、ぎゅーーっと抱きしめた。

佐藤さんを抱きしめた時の感覚を消したくて。


「ミコト、帰ろうぜ。俺たちの家に」

「帰る。…帰ったら、もっとぎゅってしてキスしてくれる?」

「むしろ、キスじゃ終わらねえけど?」

「うん。全部したい」

「俺も」


そう言っておでこをくっつけて笑い合うと、陣平くんが「行こうぜ」と言って、指輪をつけたわたしの右手を握った。

握った陣平くんの手があったかくて、また涙が溢れた。


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