第47章 初めて想いを伝えたあの場所で ☆
「ミコト。
お前が大学を卒業したらすぐに、結婚しようぜ」
「…へ?」
別れ話よりも衝撃的なその一言に、わたしはポカーンと口を開けて陣平くんを見た。
きっと、ものすごく不細工な顔してる。
「…マヌケな返事だな…もっとこう…あるだろ?
喜んで!とか嬉しい!とか。
…それとも、嫌だって言うんじゃ…」
「ま、待って待って。結婚…?!けっこん!?」
結婚って意味わかってるの?!このひと!
と、さっきとはまた別の意味でパニックに陥るわたし。
「今日、エイプリルフールじゃないよ…?」
「お前、俺のこと全然信用してねぇな?」
呆れたようにため息をついた陣平くんは、ポケットに手を突っ込んであるものを取り出した。
「これで、本気だってわかんだろ」
そう言ってわたしの目の前に差し出したのは掌サイズの小さな箱。
それをわたしの方へ向けながらパコ…と蓋を開くと、そこにあったのはキラキラ輝くダイヤがついた指輪
「これ…」
「どうしたら、俺がお前以外有り得ねえって思ってること、上手く伝わるかって考えた。
これしかねえって思ったんだよ。」
そう言いながら、呆然とするわたしの手を取り右手薬指に指輪を通した陣平くん。
サイズも何故かピッタリで、ほんとにわたしのための指輪なんだと思うと今度は視界が涙でぼやけた。
「好きだ。ミコト。
俺と結婚してくれ」