第46章 キスと告白と
「…そんなに好きなのね」
「好きって言葉だけじゃ足りねえぐらいなんだ」
そう言うと、佐藤もさすがに察したように口角を上げた。
「そう。」
「俺のせいで怪我をさせたのは、本当に申し訳なかった。
だけど、やっぱり気持ちには答えられない。」
「ん…そうよね。わかってた。
…じゃあ、私もう少し寝ようかな。人がいたら眠れないから、少しの間一人にしてくれないかな?」
「あぁ。わかった」
無理して笑う佐藤に申し訳ないと言う気持ちが溢れた。
誰かに対して、こんな風に申し訳ないと思うのは俺にとっては珍しい。
けれど、俺にはもうどうしようもなくて言われるがまま俺は佐藤の病室から一旦席を外すことにした。
そういやぁ、ミコトはもう家に帰っただろうか。
実習時間はとっくに終わっているだろうし、いない可能性の方が高い。
けれど、実習後も病院に残って勉強している可能性もゼロじゃない。
その少しの可能性に賭けて、俺はミコトを探すために救命ステーションの方へと歩き出した。
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