第43章 もしかしたらこれが最後のハッピーバースデー
待ち合わせ時間ちょうどに到着した俺。
ヒロの旦那はもちろんすでに到着していて、俺の姿を見つけて手を振る。
「松田」
「さすがだねぇ。5分前行動が染み付いてる」
「松田は、相変わらずだな」
そう言ってカゴをカートにセットして、男2人のスーパーでのショッピングが始まった。
「で?何を作るか決めたのか?」
「ロールキャベツと、ケーキと、グラタンとかぼちゃのスープ!あとサラダ」
「全部上級者向けだけど…大丈夫?」
「…ミコトが好きなものを作りてえんだよ」
むすっと口を尖らせてそう言った俺を、ヒロの旦那は優しく笑いながら眺めてる。
「優しいな、松田は」
「んだよ!からかってんのか?」
「その逆。感心してるんだよ。
じゃ、買い物早く終わらせて、早く帰って作ろう。
種類が多いし手間もかかるから時間は大事にしないと」
「お、おう!」
どうやら俺が作りたいと言った料理たちは、手間も時間もかかるらしく、俺はヒロの旦那に言われるがままに食材をカゴにぶち込んでいき、急足で男2人のショッピングは終了した。
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