第43章 もしかしたらこれが最後のハッピーバースデー
松田side
誕生日当日。
どうしても1番におめでとうを言いたかった俺は、昨晩日付が変わるとすぐにハッピーバースデーを伝えた。
ミコトはそれだけで大層嬉しかったらしく、陣平くん大好き!なんて言いながら、俺にぎゅーっとしがみついてそのまま2人で抱き合って眠ったのだが
朝起きると、俺の腕の中にいたのはミコトにプレゼントしたテディベア。
ふとテーブルの上を見ると、ミコトの置き手紙がおいてある
「夕方過ぎには帰るね!行ってきます(^^)」
「…早起きかよ…」
その置き手紙を見てぽつりと悪態をついたが、無理もない。
実習が始まってからのあいつは、実習→帰宅して料理や家事→そこからレポート作成や試験勉強
たまに時間が出来たら俺との時間に使う。
と、遊んでいる暇などない。というぐらいに多忙を極めていたから。
久しぶりに友達と思いっきり遊べるのが楽しくて仕方ないんだろうな。
「ま、俺はその間、あいつがアッと驚くような料理作ってやるからよ!!」
そう意気込みながら俺も飛び起きて支度をし、諸伏と待ち合わせをしているスーパーへと足を運んだ。