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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第43章 もしかしたらこれが最後のハッピーバースデー




わたしは、陣平くんの背中に手を回してぎゅっと抱きしめ返しながら、顔を彼の胸の中に埋めた。


そして、つい本音がポロポロと溢れる。


「陣平くん…怖いよ…
幸せすぎて、怖い…」


怖いんだよ…陣平くん。
幸せを感じれば感じるほど、手のひらからこぼれていきそうで…

そう言って肩を震わせて泣くわたしの髪をぶっきらぼうに撫でて、陣平くんは呆れたように笑った。


「俺がここにいんのに、怖いことなんてねぇだろ?」

「っ…いなくならない?
ずっと、一緒にいてくれる?」

「何度目だよ。お前とこの約束するの。」


陣平くんはわたしの瞳に溢れた涙を指で拭って、わたしの瞳をじっと覗きながら言った。


「ずっと、お前のそばにいる。
誕生日、おめでとう。
来年も俺がこうして祝ってやる。再来年も、その次も」


その言葉を聞いて、またわたしの目から涙が溢れた。


ねぇ、神様。
この約束だけは、叶えさせてください。

ただ、陣平くんと一緒に未来を生きたいだけ。
10年後も20年後も、幸せな顔して笑う陣平くんを隣で見ていたいだけ。

たったそれだけを願うのは、ワガママですか?


ポロポロと溢れる涙をまた陣平くんが拭い、瞼にキスをした後、ゆっくりと唇を重ねた。

ずっと一緒にいると約束したあとの、陣平くんのキスはいつもより優しいと思った。

まるで、誓いのキスみたいに。








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