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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第43章 もしかしたらこれが最後のハッピーバースデー




ふと、テーブルの上にあるものを見て、わたしは目を見開いた。


「え…陣平くん…」

「…お前、今日誕生日だろ?
…飯と、ケーキつくった」

「作ったって…え…
これ、全部陣平くんがつくったの?!」


テーブルの上には、わたしの好きなロールキャベツとエビのマカロニグラタン。
シーザーサラダに、かぼちゃのスープ。
そして、Happy Birthdayと書かれたホールケーキに、マジパンでわたしと陣平くんらしき人形が乗ってる。


全部、買ってきたにしてはどこか少し不恰好で、それが全て陣平くんの手作りなんだと実感させられた。


思わず、目の前が涙で滲む。

だって…こんな、嬉しすぎるプレゼントを用意してくれてるなんて、思わなかった。

誕生日どうする?ってことすら聞かなかったし話題にもしなかったのに。


結局また、陣平くんが幸せで上書きしてくれた。



「っ…」

「…初めて作ったから、不恰好だけどよ。
やっぱ、嫌か?今からでも買って…」

「っ…バカ!!」


的外れなことを言って慌てる陣平くんに、わたしは思わず声を荒げた。


「はぁ!?馬鹿!?てめ…俺が誰のために…」

「嫌なわけないでしょ!?むしろ、嬉しすぎて…っぅううぇええ」

「あぁーもう!泣くなって」


もう感情が抑えきれなくなって、子供みたいに号泣するわたしを見た陣平くんは、慌てて宥めるようにわたしを抱きしめた。

いつもするタバコの匂いが、今日は料理の匂いにかき消されてる。

こんなに匂いがつくまで、キッチンで頑張ってくれたんだ…
陣平くん、料理全然ダメだったのに。

何品も、それも全部手間のかかるものばかり。

わたしがいない間に頑張って作ってくれたんだ…


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