第43章 もしかしたらこれが最後のハッピーバースデー
翌朝、目を覚ますとわたしは陣平くんの腕の中にちゃんといた。
良かった…まだ、陣平くんと一緒だ…
ホッと心を撫で下ろし、可愛い寝息を立てて眠る陣平くんのほっぺにキスをしたわたしは、彼の腕からそろっと抜け出した。
そして、わたしがいた場所に彼からもらったテディベアを身代わりにして、身支度を整えると起こさないようにそっと家を出かけた。
実習が始まってから、思えば一度も遊んでいなかったことを思い出しながら、
久しぶりの親友との時間が楽しみで、わたしは小走りに待ち合わせ場所へ向かった。
「あっ!ミコト!」
「アユー!久しぶり!」
「ほんとだよー!実習始まってから全然会ってなかったもんね!?」
そう言って笑うアユは少し痩せたよう見えた。
実習がいかにハードかを物語っているかのようだ。
「今日は日頃のストレス全部買い物にぶつけよう!」
久しぶりに見たアユの笑顔に癒されたわたし。
お互いの近況や実習中の出来事についての話に花を咲かせながら、ショッピングモールを歩いた。
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