第42章 何度も好きだと言って ☆
朝日が眩しく差し込んで、わたしは顔を顰めながら目を開けた。
「ん…」
思えば昨日は外がぼんやり明るくなるまで抱かれていて、限界突破したわたしは気絶するように束の間の眠りに落ちていたらしい。
もちろんのこと身体の力は1ミリも入らず、今日が実習お休みでよかったと心底ホッとした。
そして、腕枕をしてくれている彼の顔を見上げると、すぴー…すぴー…とマヌケな寝息を立てて、まるで子供みたいな寝顔で眠ってる。
「昨日は野獣だったくせに」
昨日わたしを虐めていた彼とは似ても似つかない。
可愛くて、愛しくて、つん。とほっぺをつつくと、眉を歪ませた陣平くんが目を覚ました。
「んー…ミコト…」
「陣平くん、今日お仕事は?」
「…サボる」
「だ、だめだよ!警察官がサボるなんて!」
根が真面目なわたしは、慌てて陣平くんを起こそうと彼の肩を揺らした。
すると、陣平くんは急に真剣な顔してわたしの頬を撫でながら言う。
「…嫌じゃねえの?」
「え…?」
「佐藤のこと。
ミコト、散々俺と佐藤がどうとか言ってただろ?
俺そんなこと絶対無いって笑い飛ばしてたくせに、結果…告られたっていう…」
バツが悪そうな顔をしてそうこぼした陣平くんは、口を尖らせて下を向いた。
どうやら、わたしがずっと佐藤さんとのことを疑っていたにも関わらず、佐藤さんに告白されたことを申し訳なく思っているらしい。
陣平くんらしくもなく、しゅんとしている。