第42章 何度も好きだと言って ☆
落ち込んでいるのが少し不憫に思えて、わたしは陣平くんにぎゅっと抱きつきながら応えた。
「…嫌だよそりゃ。
でも、お仕事だし…そんなワガママ言ってられないもん。」
「ミコト…」
「すごく嫌だけど…陣平くんのこと信じてるから。
…昨日たくさん好きって言ってくれたし…」
そう言いながら、昨日何度も陣平くんが好きだと言ってくれたことを思い出していると、頭を掻きながらわたしを抱きしめ返してくれた。
「ったく…俺があんなに好き好き言うなんて、萩が聞いたらびっくりするっての」
「ん…無理させちゃった?
お兄ちゃんはあっさり言いそうだね。」
「…まあでも、ミコトだから言ったんだよ。
言葉一つでお前の不安が無くなるなら。」
「ありがとう…
陣平くん、大好き…」
そしてまた陣平くんにぎゅーっと抱きつくと、頬にキスをくれた陣平くんはそのまま耳元で囁く。
「お前が心配すること、何もねえから。」
彼がくれた言葉は全部本物で、こんな風に抱きしめてキスしてくれるのも全部本物。
それだけでいいはずなのに、全部独占したくなる。
きっとこの恋には、終わりがない。
わたしと陣平くんが、生きてる限り。
生きてるかぎり…
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