第41章 告白
よく見ると、目が赤い。
バカだな…きっとさっきまで泣いていたんだろう。
「お、おかえり!!
今日はカレー作ったの!…たくさん作ったの!
それで…っ」
そこまで言うと、泣きそうになったのか言葉に詰まるミコト。
俺はフッと笑いながらミコトを見た。
「カレーたくさんって、それ明日も明後日もカレーじゃねえか」
「じんぺ…」
吹き出した俺を見ながらミコトが俺の名前を呼ぶのを遮るように、俺はミコトの腕を引いて自分の両腕の中に閉じ込めた。
ぎゅっ…と抱きしめてやると、ミコトの身体がふるふると震えてきた。
「昨日はごめん」
「じんぺいく…」
「一人で泣かせてごめんな」
そう言って髪を撫でながら、こめかみにキスをすると、ミコトは堰を切ったように泣き出した。
「う…ぅええ…たしも…ごめんなさいぃ」
「お前が何を謝んだよ」
「陣平くんにバカって言ったからぁ…」
「そこかよ!」
マヌケな声で、的外れなことを謝り出すミコトが可愛くてバカで面白くて、愛しくて。
俺は思わず笑いながらミコトの顔を見た。
涙で目と頬と鼻の頭が赤くなってる。
子供みたいな泣き顔だ。
「ふ…泣き顔、ひでぇな」
「っ…見ないでよ…ブスなかお…」
「バカ。俺にしか見せんな…そんな可愛い顔」
そう言うと、俺は両手でミコトの頬を包んで唇を重ねた。
泣いていたせいで小刻みに震えているミコトの唇が愛しくて、何度も何度も確かめるようにキスを重ねる。