第41章 告白
「そんなんじゃ…」
「じゃあなんだよ!
いっつもいつも、態度が悪い口が悪いだの…
別に俺は来たくてここに来たわけじゃねえ!
萩原の事件の手がかりも何一つ掴めねえし、これじゃ爆処にいた時の方がマシだぜ」
「…松田くん…」
「別に俺は、こんな事件どうでもいいんだよ。
俺にとって大事なのは、萩原の仇を討つこと。
そんで、萩原が置いてった宝物の笑顔を守ることだ。
ここに来てから、何一つ叶えられてねえ。
来るんじゃ無かったぜ。こんなとこ。」
そう言って佐藤の手を乱暴に振り払い、喫煙所へ続く階段を一段ずつ怒りを踏みしめながら上がっていくと、佐藤がまた俺を追いかけて腕を掴んだ。
「っ…しつけえな…」
「なによ…それ…」
「はぁ?」
相変わらず最悪な態度をとる俺を、佐藤はギッと睨みながら言う。
「彼女のことになると周りが見えなくなるぐらい必死になる…
私のことなんて、視界に入らなくなるぐらい。」
「何の話して…」
「嫌なのよ…あの子のことで、我を忘れる松田くんを見るのはもう嫌なの!」
佐藤自身も、自分が今支離滅裂なことを言っていると自覚しているんだろう。
今までに見たことのないような瞳をして、俺の目をじっと見つめて来た。
は?何で俺がミコトのことで必死になるのを見るのが嫌だと言ってんだこいつ…
そんなに自分の査定に響くのが嫌なのか?
と、言う俺の考えは的外れだったと、このあとようやく気付くことになる。