第41章 告白
ミコトは力いっぱい抱きしめ返しながら、俺のくせっ毛を撫でた。
「おつかれさま」
「…腹減った」
「今日はね、ローストビーフ!」
「肉!!!」
完全に、俺の胃袋を掴んでいるミコトは、俺の食べたいものをドンピシャで用意していた。
ダイニングテーブルに着席すると、目の前にはどんなレストランにも負けないぐらい美味しそうな料理が並んでいる。
ぐうううと腹を鳴らしながら箸を持ち、いただきますをする俺をミコトは幸せそうな顔して眺めてた。
そうだよな。
こうしてミコトと何気ない日常を過ごせている時点で、十分幸せだ。
他の男が入る余地はねぇし、俺がちゃんとミコトのことを大切にしていれば何も不安になることはないんだ。
そう思った俺は、ミコトに話しかけた。
「ミコト。明日、お前んとこに刑事が来るだろうから」
「え…?なんで?」
俺のその一言に、さっきまで幸せそうに目を細めていたミコトの顔が一瞬で曇る。
きっと、今日俺が藍沢に話を聞きに行ったときのことが頭によぎったんだろう。
「ミコト。9月3日、お前朝帰りしたよな?」
「9月3日…朝帰り…?」