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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第40章 疑惑




事件の捜査なんて、正直二の次でいい。
俺は萩原の事件だけ追っていたいんだから。

それよりも、俺がこの医者に聞きたいことは…


「ミコトのこと、どう思ってる?」

「?どうとは?」

「この間、爆発騒ぎに巻き込まれた時、あんたミコトを抱きしめて慰めていたよな?
さっきも、あの日か。と意味ありげに言ったり、寝顔眺めてたとか…
ただの実習生にしては、随分と可愛がってるみてぇじゃねえか」


そんな私情を挟みまくりの質問に、藍沢はクールな眼差しで俺を見た。


「それは、刑事としての質問ですか?
それとも…」

「刑事としての質問なわけねぇだろ」


俺も負けじとジロ…と彼を睨むと、彼は一度ため息を吐いた後真っ直ぐに俺を見つめ返して言った。


「そうだな。」

「そうだなって…」


何がそうだな。なんだよ!とツッコミを入れようとした時、藍沢からすんなりと答えがこぼれ落ちた。


「彼女のこと、気になってる。」

「は?」

「医師としても、異性としても。そういうことだ」

「んだと!テメェ!」


正々堂々と自分の彼女に惚れていると宣言された俺は、思わず頭に血が上って藍沢の胸ぐらを掴んだ。

俺のこの余裕の無さ、警察学校時代からもう何年も経ったというのに一つも成長していないこの喧嘩っ早さ。
萩原があの世で呆れていそうだ。

サングラスをかけた態度の悪い不良刑事に胸ぐらを掴まれた藍沢は、淡々と話を続けた。


「刑事さん。ご存知ですか。
医者になるということは、年間行事がなくなるってことだ。
クリスマスも、正月も、誕生日もずっと病院。
たまに家に帰ると日頃の疲れで1日寝て過ごすことばかり。
かたや刑事も、家を空ける事が多いんじゃないですか?」

「…何が言いたい?」

「医者と刑事なんか、上手くいくわけがない。
まだ、医者同士の方がマシだと思う。
仕事の話で、共感し合えるから。
家で会えなくても、職場で会えるから」

「上手くいくわけがないって、それ俺とミコトのこと言ってんのか」

「さあ。…もうそろそろカンファレンスの時間です。
すみませんが、失礼します」



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