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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第5章 妹なんかじゃない ☆




それから、陣平くんは一度もわたしを泊まらせてくれなかった。

わたしはあの日から、いつ泊まってもいいようにと、次の日の下着を持ち歩く、一歩間違えれば尻軽女みたいなことをしてたけど、

夜遅くなりそうな時も、陣平くんがすかさず自宅に送り届け、結局お泊まりにならず。

ていうか、陣平くんを好きにさせる!と意気込んで色々やってるわけだけど、陣平くんがもしわたしを好きになったら、好きってちゃんと伝えてくれるの?


好きと言われてないってことは、まだ想いは実っていないということだよね??


と、自問自答し、はぁーーと深いため息を吐いた。


キッチンに立って、作った肉じゃがの味を確かめている時、ガチャっと玄関のドアが開いた。


見ると、ずぶ濡れの陣平くんが中に入ってきてる。


「おかえり!ずぶ濡れだ!どうしたの?」

「どうしたの?って、台風来てんの、知らねぇのか?」

「えっ!うそ!今の季節に?!」


天気予報なんて全く見ないわたしは、外が台風なんて気付きもしなかった。

慌てて携帯で天気を確認すると、ピッタリ台風進路と日本列島が重なっている。


「は、早く帰らなきゃ」


焦りながら慌ててエプロンを外すわたしの手を、陣平くんが止めた。


「さすがに、危ないって」

「…じゃあどうすれば…」


泊まっていけと言わせたいずるい女だ。

陣平くんは、少し迷った後、はぁーっとため息をつきながら頭を掻いて言う。


「泊まっていけよ」

「いいの!?」

「言われるの待ってたクセに白々しいぜ」


そう言いながら、陣平くんはぐしゃぐしゃと、いつもより大袈裟にわたしの頭を撫でた。


嬉しい。
今日は朝まで陣平くんと一緒にいられるんだ!

世間知らずなわたしは、ただ彼と一緒にいられる時間が伸びたことに喜んでいた。

まさか今日、彼の1番近い場所にいけるなんて、思っても見なかったから。



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