第5章 妹なんかじゃない ☆
松田side
スースーと寝息を立てるミコトは、俺の腕の中であっさり就寝。
ドキドキして眠れない…とか無いのかよ!
こいつ、本当に俺のこと好きなのか!?
そう疑いたくなるほど、ミコトは幸せそうな顔をしてすやすや眠っている。
俺の心配は取り越し苦労だったようだ。
もし、ベッドの中でミコトに誘われでもしたら、俺はきっと我慢できずにこいつを抱いてた。
本当は、ミコトに好きだと言ってしまいたい。
けれど、萩原が置いてった宝物に、俺が傷をつけて良いはずがない。
いや、傷をつける自信がない。
妹だと言いながら、こいつを目で追うようになったのは一体いつからだっけな。
マヌケな顔して眠るミコトの髪を撫でてやると、ミコトが寝言を言い出した。
「ん…またわたしのプリン…食べたでしょ?」
プリン…
そういやぁ、こいつに初めて会った時、そんなこと言ってたな。
「っ…お兄ちゃん…」
見ると、ミコトの目にじわっと涙が浮かび、ポロ…と溢れた。
萩は良く言ってた。
食い物をとったとき、怒ってくる妹が可愛くて、ついまた同じことをしてしまうと。
俺は頬に溢れた涙を指で拭いながら、眠るミコトに問いかける。
「お前を、汚すわけにはいかねぇのにな」
そう言いながら、眠るミコトの唇を奪った。
起きるんじゃねぇぞ
そんな独りよがりなことを繰り返し思いながら、何度もミコトにキスをした。