第39章 抱きしめることが出来る奇跡 ☆
思えばこれまで、がむしゃらに萩原の事件を追ってた。
思い返してみれば、ずっと1人だったな…
同期の他の3人は、それぞれの方法で萩原を弔いながら生きてる。
自分の職務を全うすることで弔おうとする者
命日だけじゃなく月命日も足繁く墓参りに通う者
萩原の愛したこの国を守ることでその責務を果たそうとする者
俺は、ただ仇を討ちたい
この手で捕まえて、萩原の無念を晴らしたい。
その一心で今までまっすぐ突っ走ってきた。
けど、ふと思った。
同じ目的を持ってこの事件をも追ってくれる仲間がいたら、きっともっと道は開けるのにと。
「…じゃあ、よろしく頼むわ。」
「え…」
「え。って!
あんたが言ったんだろ?一緒に、あの爆弾犯を捕まえるのに協力してくれ」
「っ…!もちろんよ!」
一課に異動してしばらくが経つが
この刑事なら、信頼しても良いかと漠然と思ったんだ。
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