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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第38章 助けたかったのは




そんな心配をする俺に更に追い討ちをかけるかのように佐藤が言う。


「?!え、それって浮気…」

「バカ!違うって。
…ただの、医者の講演会。」

「なんだ。それなら別に心配する必要ないじゃない」

「…」


そうなんだよな。
どうして俺、こんなに余裕なくしているのか自分にもわかんねえ。

むすっと膨れっ面を崩さない俺に、佐藤は静かに尋ねた。


「…前に言ってたこと、まだもやもやしてるの?」

「あん?」

「ほら、医者の気持ちは医者にしかわからない。って話」


佐藤に核心を突かれ、結局はそこなのかと俺も思った。
俺はミコトにとって何でも頼れる存在になりたい。
萩原の代わりに。


「…そうだな。
アイツのこと、1番理解してやれるのは俺がいい。
俺はアイツのこと、全部わかっていたい。
…ただの独占欲だよ」

「…逆はどうなの?」

「んー?」

「松田くんを1番理解してくれてるのは、彼女なの?」

「…そりゃ」


俺を一番理解してくれているのは、ミコトだ。
そう言い切ろうとした俺を、突如入ってきた無線が邪魔をした。

ガガッ…ピ…


「佐藤くん!目暮だ」

「警部。どうしました?」

「すまんが、松田くんと一緒に署に戻ってきてくれんか?
大至急だ。」

「?わかりました。今から戻ります」


ただ事じゃねえ雰囲気の警部からの無線に、俺たちは即座に警視庁へと向かった。





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