第5章 妹なんかじゃない ☆
勘弁してくれ…
マジ、萩原に殺される
そう思いながらも、俺の目はミコトの太ももに釘付けだ。
「陣平くん?」
無防備すぎる妹は、きょとんとした顔をして俺の顔を覗き込んでくる。
その顔やめろ…
つい、ほだされそうになる。
さっき、ミコトにキスをしたときもそうだった。
俺と朝まで一緒にいて、なにもないと惨めじゃない。なんて言いながら、怒って出て行こうとするわがままで可愛い妹を、俺は咄嗟に呼び止めて口実を作るためにキスをした。
完全に振り回されている。
翻弄されている。この俺が。
「…いや、風呂入ってくるから、お前先に寝てろ。
ベッド使って良いから」
それだけ言い残すと、邪念をシャワーで洗い流そうと風呂場へ向かった。