第37章 朝帰りのお仕置き ☆
しばらくして洗い物を終えてまたベッドに戻ってきたミコトは、のんきな顔して笑いながら言う。
「お気に入りのお弁当箱だから、汚れなくてよかったぁ」
「そういや、わざわざ一回帰って弁当詰めてまた病院行ったのか?
そのへんのコンビニでなんか買えばよかったのに」
「あ…わたしが食べるんじゃなくて、藍沢先生に持っていったの」
「…は?」
ぴく…と俺の眉がわかりやすく動いた気がした。
藍沢先生に持っていったって…
あいつのために弁当作ってやったってことか?わざわざ?
イライラとモヤモヤと独占欲が湧き上がる俺に気づかないミコトは、何も自覚していない笑顔で笑う。
「藍沢先生、当直でずっとオペ入ってたし、お昼も忙しかったからロクに食べてなくて…
流石に心配になってお弁当持っていったの。
そしたらね、すごく喜んでくれて美味しかったって言ってくれて」
「…なんだそれ」
思わず、俺の声のトーンが1オクターブ低くなる。
「?陣平くん…?」
「お前の料理食べていいのは、俺だけじゃねえの…?」
俺はよほど単純で嫉妬心の強い男なんだと最近ようやく自覚するようになってきた。
ミコトが俺以外のために、あのあったけえ手料理を振る舞ったかと思うと
俺以外に美味いと言われて、心底喜んだんだと思うと
分からせたくなった。
お前は、俺のものだって
俺はミコトの腕を引くと、そのままベッドに押し倒した。
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