第37章 朝帰りのお仕置き ☆
「萩原」
「はい?」
「…弁当、美味かった」
一瞬、なんのはなし?と思うほど、まさかそんなことを褒められるとは思っていなかったわたしは思考が停止する。
そして即座に動き出す。
「本当ですか?よかった…!」
いつも陣平くんは美味しい美味しいと言って食べてくれるけど、陣平くんは優しいから無理していたらどうしようなんて考えたこともあった。
けど、お世辞なんて辞書にない藍沢先生が言うんだから、美味しいのは間違いないらしい。
褒められて単純に嬉しくなったわたしは、上機嫌に医局をあとにして、米花中央病院から走って始発に乗り込んだ。
*
*