第37章 朝帰りのお仕置き ☆
おいおい…どこ行ったんだよ…
だって、冷蔵庫におかずを作って置いていると言うことは、一度この家に帰宅したと言うことだ。
まさか…誰かに連れ去られた…?!
俺は慌てて携帯を取り出し、ミコトにコールを飛ばす。
が、受話器は上がることなく10回目のコールで俺は力無く「切ボタン」を押した。
どうする…警察に届けるか…?!
いや、一課のコネ使って緊急配備を…
落ち着け…ミコトのいつも使ってる鞄と靴がねえってことは、自分で家を出て行った可能性が高い。
実習で何かあって、病院にいる可能性のほうが高い。
けれど万が一ということも…
いてもたってもいられない俺だが、ここで取り乱して捜索願いまで出したのに実は実習関係で病院にいました。
なんてことになったら、俺は一課の…いや警視庁全体での笑いモノだ。
とりあえず、明日の朝8時の時点でミコトから何の返事もなければ、その時に改めて捜索願いを出そう。
そう自分を落ち着かせ、ミコトがいない空のベッドにゴロンと寝転がる俺。
思い返せば、同棲を始めてからミコトのいないベッドに寝転がるのは初めてだ。
いつもいつも、俺の方が帰りが遅くてミコトが眠るベッドに潜り込むことばかりだった。
「ミコト…やべ…寂しい」
いつもミコトは、朝起きて、俺に抱きしめられていると癒されるなんて言うがとんでもない。
俺の方が、ミコトを抱きしめて寝ることで癒されてたんだ。
ミコトを恋しく思うと同時に、どうか無事で何事もなく帰ってきますように。そればかりが頭を駆け巡り、もちろん眠れるわけなんかなかった。
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