第37章 朝帰りのお仕置き ☆
松田side
深夜3時
事件の捜査を終えた俺は、佐藤に自宅まで送ってもらった。
「こんな時間までご苦労様。
じゃあ、明日は非番だしゆっくり休んで?」
「あぁ。そうさせてもらうぜ。疲れたー」
ふわぁあ…と欠伸をしながら、睡眠不足のふらつく足取りでマンションのエントランスをくぐった。
ミコトはもう寝てるだろうな…
抱き枕にしたら起こしちまうか…
いや、でも疲れたこの身体をミコトのこと抱きしめることで癒やしてぇ…
と、ブツブツ言いながら玄関のドアを開けた。
案の定、部屋は真っ暗でシン…とした静寂が広がる。
そりゃそうだ。
何てったって、深夜3時だからな。
そう思いながら、まずは水を飲もうとキッチンに向かい冷蔵庫を開けた。
冷蔵庫の中にはミコトが作り置きしたであろう食材がタッパーに入れて置いてある。
ご丁寧に付箋に、温める時間や消費期限までかいて。
「マメだねぇ。俺の彼女は」
そんなこと言いながら、本当は感心してるんだ。
実習が始まり、以前よりも忙しくなったくせに、俺のためにこうやって出来る限り飯を作ろうとしてくれる。
せめて、他の家事は俺がやってやらねぇとな…
と思うが、キッチンも部屋の中も見渡すとちゃんと綺麗にしていて、出る幕がねぇ…
はぁ…と自分の不甲斐なさにため息を吐きながら、眠ってるミコトの寝顔でも眺めようと寝室のドアを開けた。
「ミコト……あれ?!」
小さい声で名前を呼びながら部屋の中に入ったが、思わず大きな声が飛び出した。
当然ベッドであの可愛い顔してすやすや寝息を立てているであろうと思っていたのに、ミコトの姿が見当たらない。
ベッドは明らかに空だった。