第36章 疑惑の朝帰り
余裕ねぇな俺…ダセェ…
猛烈に反省していると、ミコトは慌てて声を上げた。
「ちっ、違うの!嫌だったんじゃなくて…
その、今日から…月一のアレが来ちゃって…
だから物理的に出来ないの…」
そう言って恥ずかしそうに俯くミコト。
嫌だったんじゃない。と言われて、ホッとした。
ミコトに嫌われたんじゃとすら思ったから。
するとミコトは、俺の方を上目遣いでじっと見ながら予想外の提案をする。
「だから…陣平くんのを口でするのなら出来るよ…?」
「え…」
思考が追いつかずに間抜けな声を出した俺に、ミコトはゆっくりと頭を下げて俺のベルトをカチャ…と外した。
その瞬間、放心状態だった俺はハッと我に返り、慌ててミコトの手を掴んで止めた。
「ま、待った!」
「え?」
止められたミコトは目を丸くして俺の方を見た。
「馬鹿野郎…そんな…お前に、処理させるみたいな…最低だろ…」
「陣平くん…?」
「っ…ごめん」
ただそう謝りながら、俺はミコトの身体を抱きしめた。
ミコトは俺を心配するみたいに、俺の背中に手を回してすりすりとさすってくれる。
なんだよ…もっと怒っていいのに…
陣平くん最低だと突き飛ばすぐらいされてもおかしくねぇのに。
これじゃあますます、ミコトを離したくなくなる。
独占欲は膨らんでいくばかりだ。
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