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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第34章 嫉妬の嵐




こんなに人が大勢いる都会の歩道のど真ん中で、松田くんは彼女を両腕でぎゅっと抱きしめた。

抱きしめながら、何度も何度も髪を撫でて、まるで宝物を愛でるみたいだ。

そしてそのあと、2人は長いくちづけを交わした。


わかってたのに。
松田くんに彼女がいるってことも、その彼女をどれだけ大切にしてるかってことも。

だけど2人のキスシーンを見て、平然と忘れ物を渡せるような図太さは無かった。


私は松田くんの携帯を握りしめたまま、ゆっくりと身体を翻してまた店へと戻った。


ダメだ。このままじゃ…
忘れないと。諦めないと…


目暮警部が無事に届けることができたか?と聞いてきたけれど、追いつけなかったと笑って嘘をついた私。

私が私じゃ無くなっていくような気がして、怖かった。

片想いの怖さを、初めて知った。





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