第34章 嫉妬の嵐
陣平くんと手を繋いで駅前からタクシーに乗り込んだ。
後部座席で陣平くんに抱き着いて甘えると、陣平くんはわたしの髪を撫でながら笑った。
「こーら。ちゃんと座れ」
「…陣平くんお兄ちゃんみたい」
そう言いながら陣平くんに抱きつくのをやめないわたしに、陣平くんはチクチクと反撃してくる。
「あぁ、そうだな。
俺はお前の兄貴のダチだからな」
「…それは謝ったでしょ?」
「謝って済むなら警察はいらねえなー?」
「じゃあどうすれば許してくれるの?」
すっかりいつのも陣平くんのペースに乗せられ、むーーっと顔を膨らませると、陣平くんはフッと口角を上げた後わたしの肩を抱いた。
そしてわたしにだけ聞こえるように耳元で囁く。
「帰ったら、めちゃくちゃに抱いてやるから覚悟しろよな」
艶のある吐息混じりの声が耳元で響くと、ドクッと心臓が大きく跳ねたのがわかった。
同時にわたしの身体の奥からじわ…と期待が溢れるのを感じた。
陣平くんの肩にキュッとしがみつくと、今度はわたしが陣平くんにしか聞こえないように耳元で言った。
「めちゃくちゃにして?」
家に着くまであと10分
その時間すら、永遠に感じられるほど早く早く
陣平くんに触れたいと思った。
陣平くんに触れられたいと、思った。
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