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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第5章 妹なんかじゃない ☆




少しも成長しないわたしたちの関係に、わたしはずーーんと落ち込む。


「なんで落ちてんだよ」

「陣平くんは、わたしと一晩一緒にいても、何も思わないんだ…」

「あー?」

「わたしに興奮しないんだ!!」


そう言いながら、鞄を持って陣平くんの家を出て行こうとした時、陣平くんがわたしの腕を掴む。


「待てって!だから、夜道は危ねぇって言ってんだろ?」

「危なくても良い!!
だって、このままここに泊まって、何もなかったらわたしものすごく惨めだよ!?」


好きな人と一晩一緒にいて何も無いなんて、脈無しの証明みたいなもんじゃん。

そんなワガママなことを言うわたしに、陣平くんは呆れたようにため息をついた。


そして、わたしの手を引き、わたしと陣平くんの距離が一歩近づいた時



陣平くんの唇がわたしの唇に重なった。


わたし、今…
陣平くんとキスしてる…?


まさかすぎる夢みたいなこの時間が、現実

初めて感じる陣平くんの唇が、思った以上に柔らかくて、きゅぅんと胸が高鳴った。


ゆっくりと唇が離れる時、ちゅ…とリップ音が鳴り、陣平くんがわたしの顔をじっと見ながら言った。


「これで、なんかあったって言えるだろ。
…大人しく、泊まってけ」


それだけ言って、またくしゃくしゃとわたしの頭を撫でると、陣平くんはボリボリと頭を掻きながらローテーブルの前に座るとまたカレーを食べ始めた。



「…ずるい…」


わたしのファーストキスは、あっさりと陣平くんに奪われたのだ。



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