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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第5章 妹なんかじゃない ☆




その時


ガチャガチャッ


鍵を開ける音がして、わたしはお風呂場から玄関のドアの方に走った。



「陣平くん!お帰り!」

「…お前も、暇だねぇ」

「医学部生舐めないでよ?
これでもめちゃくちゃ忙しいんだから!」


そう言いながら顔を膨らすと、陣平くんが笑いながらハイハイと言い、わたしの髪をくしゃくしゃっと撫でた。


好き…

何度もこうして髪を撫でられているのに、毎回お手本のように胸がときめく。


「お、今日はカレーかー!美味そー!」

「お仕事で疲れてる陣平くんのために、がっつり糖質たっぷりのカレーです♡」

「…太りそう俺」


そう言いながら、ローテーブルに座った陣平くんの前に、カレーとスープ、サラダを並べた。


「召し上がれ」

「いただきます」


丁寧にいただきますをして、口に掻き込んでいく陣平くんを眺めるこの時間が好き。


「お前、明日朝から授業?」

「うん。だから、陣平くんが食べ終わって洗い物したら帰るよ」

「今何時だと思ってんだよ…」


携帯で時刻を確認しながら、陣平くんが呆れた声で言う。
ただいま夜の22時。
終電はまだあるし、大丈夫かなと思ってた。



「だって…」

「…授業の準備は持ってんのか?」

「あるよ。大学からそのまま来たから」


そう言いながら、わたしは自分のバッグにパンパンに詰まった教科書に目を配った。

そんなわたしを見て、陣平くんがまさかの提案をする。


「泊まってけよ」


その単語を理解するのに、医学部生の脳ですら10秒はかかった。

そして、わたしは突然大声で驚きながら後退りした。


「えええええ!!」


その声の大きさに驚いた陣平くんが、ゴホッとむせ返りながらわたしを呆れた目で見て言う。


「あー?!夜道を1人で歩くより、俺と一晩過ごす方が安全だろ?どう考えても」

「そ!そうなの?!」


と言うことは、まだわたしを女として見てないんだ…




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