第5章 妹なんかじゃない ☆
陣平くんに宣戦布告してから、わたしはほとんど毎日、陣平くんが一人暮らししてる部屋に足を運んで、勝手にご飯を作っては帰る。
そんなことをしていた。
今日も、授業を終えたわたしは買い物のあと、陣平くんのアパートに向かった。
一度、陣平くんが帰ってくるまでずっとアパートの前で待っていた日があった。
陣平くんはその日、仕事が長引いて早朝に帰宅。
夜通しアパート前で待っていたわたしを見かねて、今度からこれで中に入ってろと、合鍵をくれた。
幼馴染で妹同然の存在
という肩書きが無ければ、明らかに不審者であり、重めのストーカーだ。
陣平くんからも言われた
「お前、これじゃあ彼女になる以前にストーカーだっつーの」
そんなこと言いながら、くしゃくしゃとわたしの頭を撫でる陣平くん。
全然怒ってない彼の優しさに甘え、わたしは押せ押せ状態だ。
今日も、もらった合鍵で中に入り、陣平くんの好きなカレーを作りながら、陣平くんの部屋を掃除し、洗濯物も回した。
よく考えたら、もはや彼女候補というより、家政婦じゃない…???
そんな風に思いながらも、陣平くんの部屋に入れると言う特権を他の女の子に絶対渡したくないわたしは、陣平くんが帰ってくるまでおうちをピカピカに磨き上げてる。