第34章 嫉妬の嵐
合コンで盛り上がる話なんて、つまらないと思った。
好きなタイプは?
経験人数は?
趣味は?休みの日は何してる?
他人のそんな話、全く興味が無かったわたしは、うんうんと頷いて聞いてるふりをしながら、耳はずっと陣平くんたちのテーブルの方へ向けていた。
どうやら、陣平くんと佐藤さんが一緒に出勤したことで、2人の関係が噂されているみたいだ。
佐藤さんは顔を赤くしながら否定をしているが、まんざらでもなさそうに見えた。
きっと陣平くんが、俺には彼女がいるから。ってスッパリ否定してくれる。と思っていたけれど
「昨日、俺の家に泊まったんですよ。」
そう平然と言った。
そりゃあ泊まったのは事実だけど…
周りに誤解されていることについて、何も思ってないの?
わたし以外の人と付き合ってるって噂されても平気なんだ…!?
さっき、陣平くんのことを兄の友人。なんて紹介したくせに、陣平くんがわたしのことを同僚に紹介してくれないのが、悲しくて仕方なかった。
そんなわたしの気持ちとは裏腹に、陣平くんはさらに誤解を煽るような発言をする。
「何だよ。嘘は言ってねえだろ?
俺のベッドでガーガーいびきかきながら寝てたくせに」
そんなの、さらに親密だと思われちゃうじゃない。
案の定、2人の関係を誤解して項垂れる人もいたり、めでたいと上機嫌になる人もいた。
自分の彼氏が、自分じゃない別の誰かと噂になるのってこんなにキツいんだ…
もう、帰ろうかな。
結局、米花中央病院の脳外科の先生もまだ来ないし。
この場所で、陣平くんたちの会話をこれ以上聞きたくない…