第34章 嫉妬の嵐
その目暮警部の質問に、佐藤に恋をしているであろう白鳥刑事をはじめとする一課の男連中は、固唾を飲んで俺の答えを待った。
「な、何もないですよ!」
慌てて佐藤が否定をする隣で、俺は平然と言ってのけた。
「昨日、俺の家に泊まったんですよ。」
「と、泊まった…!?!」
テーブルの空気がザワッと一変し、佐藤が慌てて間に入る。
「ちょっと松田くん!?!」
「何だよ。嘘は言ってねえだろ?
俺のベッドでガーガーいびきかきながら寝てたくせに」
「なっ!い、いびきなんてかいてないから!!」
そんな俺のやり取りを聞いて、白鳥刑事をはじめとする佐藤美和子親衛隊はこぞって号泣。
そして目暮警部だけが、めでたいなぁーなんて言いながらジョッキに入れられたビールを流し込んでいた。
何にもめでたくねぇっての。
と、心の中でツッコミを入れながら、俺も運ばれてきたジョッキを一気に飲み干した。
ミコトが今の俺たちの会話を聞いていたとも知らずに。
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