第33章 お持ち帰りの仕返し?!
とくに、わたしと陣平くんみたいな恋人が欲しいなんて言われちゃうと全然悪い気はしない。
「アユ…
もう、わかったから!言わないから!」
「うん♡お願い!」
さっきのウルウルモードとは打って変わって、語尾にハートをつけてくるアユ。
この子の処世術はいつも勉強になるなと思っていたけど、いざ自分に向けられると、自身がいかに愚かな人間なのか思い知らされた。
「…友達やめようかな…」
「ん?なんか言った?」
「なんでもないー!…はあ…」
これでわたしは彼氏持ちと言うことをひた隠しにして、場の空気を悪くしないように適度に合コンにも意欲的に参加しなきゃいけない。という二重苦を背負う羽目になった。
「現役ドクター側、1人来てないけど先に始めちゃおうか。」
現役ドクター陣、つまりこの合コンの男性側の幹事がビールジョッキを片手に立上がった。
かくして、1ミリも乗り気になれない合同コンパがここに開催されたのであった…
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