第33章 お持ち帰りの仕返し?!
オリエンテーションが無事に終わり、わたしはアユが言う、「実習先の医師との交流会」にやってきたのだが…
「アユ…」
「え?なに?」
「なんで学生は全員女の子で、ドクターは全員男性なの?!しかもこの並び!」
隣に座るアユにヒソヒソと文句を言うわたし。
それもそのはず。
交流会と言われて参加したはずのその場所は、どう見てもどう考えてもそんな高尚なものには見えない。
女の子が一列に座って、その向かい側の席には男性ドクターが一列に座っているこの状況。
「合コンじゃん!これ!!」
「人聞き悪いわね!交流会でしょ!男女の!」
「それを世間じゃ合コンって言うの!
わたし彼氏いるんだけど!」
「いーじゃんー!今日だけ付き合ってよー!
他の女の子の参加者は全員違うゼミだし、
1人で参加するのも気が引けたしさあー!
私だって彼氏欲しいもん!」
「…完全に合コンだ…騙された…」
親友のアユにしれっと騙されて合コンに連れて来られたわたし。
陣平くんに知られたら、雷落ちるだけじゃ済まない気がする…
絶対知られないようにしなければ…
「まあまあ、米花中央病院の脳外ドクターが来るのは本当だから!」
「どの人よそれ…」
はあぁ…とため息を吐きながら目の前にいる男性陣を眺めた。
すると、その中のひとりがその会話を聞いて笑いながら言う。
「あぁ。あいつ、急患のオペが入って30分ほど遅れるって連絡が来たよ。」
「あ…そうなんですか…」
つまりわたしはその人がくる30分の間、ただひたすらご飯を食べながら愛想笑いをして過ごさないといけないのね…
でも、社会人になったらこういう付き合いは増えるんだろうな…