第33章 お持ち帰りの仕返し?!
松田side
二人揃って警視庁に出勤した俺と佐藤を見て、一課の執務フロアにいた刑事たちはザワッと困惑の声を上げた。
「おい…どうして美和ちゃんとあいつが一緒に出勤してるんだ…!?」
「しかも、美和ちゃん昨日と服同じじゃねぇか!」
「さては…松田…あの野郎…」
口々にそんな信憑性のない被害妄想を繰り広げながら俺を一斉に睨む刑事たち。
全部聞こえてるっつーの。
というか、昨日俺が抱いてたのは佐藤じゃなくて俺の彼女!!
昨日のミコト、すっげぇ可愛かったんだからな!??
と、心の中でなぜか喧嘩腰で反論しながらも、佐藤を家に泊めたこと、ひとつ屋根の下で一夜を明かしたことはいずれも紛れもない事実。
俺が反論したところで、火に油を注ぐのは目に見えているから、黙って無視をする他なかった。
もどかしい気持ちを抱えながら、乱暴に自分のデスクに座ってでかいため息を吐いた。
「ったく。俺はあんたのゲロの世話しただけだっつーの」
「ちょ、ちょっと!吐いてないからね?!わたし!」
そんな小競り合いも、側からみればイチャイチャしているように見えるらしい。
俺たちのやり取りを見てより一層刑事たちの憎しみの眼差しが向けられる。
「どうしろと…」
俺が好きなのは、俺の彼女
萩原ミコトなんだって!と、館内放送で言ってしまいたいぐらいだ。
そんな時、捜査一課のデスクにある電話がけたたましく鳴り響いた。
「はい、警視庁捜査一課…
なに?!マンションから転落!?
わかった。すぐに向かわせる」