第33章 お持ち帰りの仕返し?!
今日は大学で病院実習前のオリエンテーションだ。
家を出るのがギリギリになったわたしは、滑り込みセーフで会場の講義室に入った。
「ミコト!こっちこっち!」
わたしの姿を見つけたアユが手招きをするのが見え、わたしは足早にアユの隣の席に向かった。
「セーフ!」
「遅刻かと思ったわよ。
何やってたよ?」
「色々あったのよ…」
はぁあ…とため息を吐きながらそう言って、オリエンテーションのレジュメに目を通していると、アユがニヤニヤしながらわたしを見た。
「なるほど?陣平さんに朝まで寝かせてもらえなかったとか?」
そう言われ、わたしはふと昨日の陣平くんとの情事を思い出す。
あんな風に、ずっと後ろから抱きしめられながら、陣平くんの硬くて大きいのが入ってきて…
思い出すだけで濡れてしまいそうなぐらい、甘い時間だった。
みるみるうちに顔が真っ赤になって、ふにゃーと陣平くんにメロメロなのが隠しきれないわたしに、アユは呆れた顔で言う。
「やっぱり図星か。」
「それは図星だけど…他にも色々あったの!」
「他にもって?」
首を傾げるアユをよそに、今度は昨日のあのモヤモヤする事件を思い出し、ああぁ…と項垂れたわたし。
「情緒大丈夫?」
さっきまでヘラヘラにやにやしてたわたしが、突然大きなため息を吐いて机に突っ伏したのだから、アユは本気でわたしの頭を心配している。
「聞いてよ…昨日ね、陣平くんが…
女の人をお持ち帰りしてきたの」
「…え!!お持ち帰りって…ええ!?
まさか3人でヤッたの!?」
「ば、バカ!そんなわけないでしょ?!
…いや、わたしの言い方が悪かった。
陣平くんが、一緒に飲んでた刑事の同僚が潰れたから家まで連れてきたの」
「ふぅーん?その刑事が女だったってわけね?
でも、それは仕方ないんじゃない?
同僚が全員男ってわけにもいかないだろうし」
それはそうだ。
わたしだって、ただ女の同僚と飲んでて、ただその人が潰れて、連れて帰ってきただけならこんな風に思わない。
でも…