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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第33章 お持ち帰りの仕返し?!




内心大慌てなわたしをよそに、松田くんはさぞ迷惑そうにため息を吐いた。


「ったく。何で俺が教育係のゲロの世話しないといけねぇんだよ」

「げ、ゲロ!?吐いたの?!私」

「う、そ。ほら、水。」


そう言って、松田くんはわたしにミネラルウォーターのペットボトルを手渡してきた。


「あ…ありがとう…
あの、昨日のこと全然覚えてなくて…」

「あんたが飲み屋で潰れて家の住所すら言えなくなってたから俺の家に連れてきたんだよ。」


苦労したぜ…と言わんばかりの松田くん。
私はまたまた大慌てで彼に尋ねた。


「そ、それって…
もしかして、これ着替えさせたの松田くん?
…あと、まさか昨日一緒に寝てた…?」

「いや?あんたを着替えさせたのは俺の彼女。
昨日あんたとそのベッドをシェアしてたのも俺の彼女。
まああいつ、結局俺と寝るって言って、ソファーに来てたけどな」

「か、彼女…」



その単語を聞いた瞬間、IKEAで会ったあの女の子の顔がフッと浮かんだ。
あの子か…


「あぁ。一緒に住んでんだよ。
今日は大学で休めないオリエンテーションがあるって言って朝早くに出ていったけど」

「そう…なの」


思わず、自分に着せられた部屋着を見た。
女の子らしい柔らかい素材のTシャツに、ピンクのショートパンツ。

きっと、私とは全然違うタイプの女の子なんだと、すぐに分かる。

そして自分が眠っていたベッド。
セミダブルベッドに枕がちゃんとふたつある。

いつもここで、2人で寝てるんだ…

寝てるだけじゃなくて、きっと…


「ほら、着替えたら来いよ。
朝メシ食べて行こうぜ。
今日は俺もあんたも昼からだろ?」

「…うん。」


何だ…と言うことはつまり私は、同棲してるラブラブカップルに押しかけた、泥酔女…

しかも、彼氏に密かに好意を寄せる諦めの悪い女。

彼女からすれば、最悪の来客だったワケか…


悪いことしたな…と自己嫌悪に陥りながら、私は松田くんの後に続いてLDKへと向かった。




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