第33章 お持ち帰りの仕返し?!
佐藤side
松田くんと話してると、何故か安心する。
粗暴な言動とは裏腹に、たまに見せる彼の優しさに気づいてしまったからなのか。
それとも、彼も私と同じで大切な人を亡くすという経験をしていて、それを分かち合えるからなのか。
そんなフワフワしたうわついた気持ちを洗い流そうと夢中で飲んだアルコール。
一体、何倍飲んだんだっけ…
そもそも、私あれからどうやって帰ったんだっけ…
「ん…」
自分のベッドの上だと信じて疑わなかった私。
目を開けると、そこには見慣れない天井があった。
ガバッと身体を起こし、周りを見渡すけれどここがどこだか全然わからない。
ハッと自分の姿を確認すると、私の服はいつの間にか、女の子らしいTシャツと短パンに変えられている。
「どこ!?何これ!?
…痛っ…」
思わず出した自分の大きい声がキーンと頭に響いた。
確か昨日松田くんと飲んでて…
彼と結構話し込んでお酒も進んで…
心地いいって思った記憶はある。
それは、お酒が入ってたからなのか、単純に松田くんといるのが心地いいと感じたのか、自分でも分からない。
だけど、記憶を無くす前まで彼の横顔をずっと見ていたことは覚えている。
「ってことは…ここ、まさか松田くんの家?」
そうぽつりと呟いたとき、寝室の引き戸がガラッと開いた。
そこには、腕組みをして呆れた顔で私を見る松田くんがいた。
「起きたか」
「えっ!ま、松田くん!?」
やっぱりここ、松田くんの家!?
ってことは、これ松田くんのベッド!?!