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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第32章 寝言の理由 ☆




「飲みに行くことになった。
先に寝ておいてくれ」


そのメールが届いた時、わたしは絶賛夕食の準備中だった。


「えーー!もっと早く言ってよー!」


せっかく陣平くんの好きなカレー、たくさん作ったのに。
鍋に大量に作った、自分の自信作である特製カレーを混ぜながらわたしはため息を吐いた。


「陣平のばか…」


むー。と文句を言うけれど、よく考えるとこれでも全然マシな方だ。

帰れない日はちゃんと連絡くれるし、わたしが眠っている間に帰って来たら、必ず抱きしめて頬にキスをしてくれる。

何度も寝たふりをしてたから、知ってるの。

朝起きて、隣に陣平くんがいると嬉しくて、毎朝泣きそうになる。

行ってらっしゃいと彼を見送ることができる幸せも、ひしひしと感じてる。


タイムスリップしてはや2年が過ぎた。
このままずっと、陣平くんと生きていけると思っていていい?

最初の頃は明日が来るのが怖かった。
いつ、元の世界線に戻されるかと恐れていたから。

でも今は、明日はどんな陣平くんが見れるかな?と毎日楽しい。


きっとこの作り過ぎたカレーも、明日の朝ご飯に陣平くんが食べてくれるよね。

そう思って、わたしは陣平くんのために作ったカレーをタッパーに入れた。

よく朝このカレーを食べるのが陣平くんだけじゃないってこと、この時は想像すらしてなかった。



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