第31章 2人の部屋で初めての夜 ☆
シャワーを浴びて髪をガシガシ拭きながらまたLDKに戻ると、キッチンでミコトが最後の仕上げをしているのが見えた。
後ろ姿がどうしようもなく愛しく思えて、俺はミコトを後ろからぎゅっと抱き締めた。
「び、っくりした!」
突然抱きしめられたミコトは、驚いて目を丸くして声を上げた。
「あー…好き」
「じ、陣平くん??」
「はあ…」
胸がいっぱいになって思わず好きだと溢した俺を、ミコトは顔を赤くしながら見た。
「幸せすぎて、怖いよ…」
「俺も」
そう言って、俺は後ろからミコトの唇に自分の唇を重ねた。
触れるだけのキスをしてゆっくりと離すと、ミコトは上目遣いで俺を見つめてくる。
「なんか、ドキドキする…」
「へぇ?じゃあ、もっとドキドキする事、する?」
そう言って今度はもっと濃厚で甘いキスをしようとミコトの頬に手を添えた俺。
最大限妖美な雰囲気を作り出したと思っていたが、ミコトはケロッと笑いながら俺から身体を離した。
「だーめ!せっかく作ったのに温かいうちに食べてよ!」
「…それもそうだな」
まあいいか。
今日は一緒に眠るんだし、腹も減ったし。
さすがにサカりすぎだな、俺。