第31章 2人の部屋で初めての夜 ☆
翌朝
ピピピッ
ピピピッ…
「ん…」
目覚ましの音がわたしの目を覚ました。
ガバッと身体を起こすと、ちゃんと予定通りの時刻にお目覚めだ。
よかったあ!目覚まし時計と携帯のアラームのコンボ!
さらに二度寝しないように10分置きに鳴るようにしていたんだから、もう絶対大丈夫!!
二度寝しないうちに顔洗ってこようっと。
そう思い洗面所に向かうと、洗顔とスキンケア、歯磨きを済ませた。
そのとき
「っあーーー!っうっせぇな!!!」
ベッドルームから陣平くんの怒号が聞こえてくる。
何事?!と思いベッドルームに戻ると、どうやらわたしの5分置きに鳴るアラームが陣平くんの安眠を妨害したらしい。
「ミコト!もう起きたんならアラーム止めろ!」
「あー!ごめん!!」
そう言って慌てて鳴り響くアラームを止めて陣平くんの方を見る。
陣平くんは、ムスッと不機嫌そうに顔を顰めた。
しまった…もう少しの間寝れたのに…
陣平くん、普段忙しくて睡眠は貴重なのに…
「ご、ごめんね?陣平くん…
次からは気をつけるから…」
だから同棲やめるなんて言わないで…と、陣平くんに平謝りすると、彼はわたしの髪をくしゃくしゃに撫でた。
「…お前だから許す」
「え…」
「なんだよ。お前の切り忘れたアラームで起きるとか、同棲っぽいじゃねえか」
そう言いながら、フッとあの自信たっぷりの顔で微笑む陣平くん。
わたしは思わず彼にぎゅっと抱きついた。
「怒ってない?」
「多少イラッとはしたけどな。
でも、悪くねえかもって思った」
「…同棲やめるとか、言わないでね?」
「言うわけねえだろ?バカ…」
陣平くんはわたしの頬に手を寄せて陣平くんの方を向かせると、じっと瞳の中をのぞいてくる。
「やっと、お前と一緒に住み始めることが出来たんだ。
やめるなんて、この先一生有り得ねえ」
「一生…」
「あ。一生っつーか、永遠に?」
一生
と言う言葉を嫌うわたしを覚えていたのか、陣平くんはお茶目に言い直してくれた。
「これからよろしくね?陣平くん。」
「こちらこそ。俺の彼女」
そう言って笑い合うと、また2人の唇が重なった。
*
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