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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第4章 俺と萩原




俺はミコトの目に浮かんだ涙を指で拭いながら言う。


「お前がこんなに泣いてばっかだと、萩は安心して天国に行けねぇよ」


ミコトに、こんな残酷なことを言わないといけないのがたまらなく辛くて、俺はミコトの手を取ると自分の腕の中に閉じ込めた。

初めてだった。
ミコトをこんな風に抱き締めるのは。

細くて華奢な肩がガタガタ揺れていて、強く抱き締めると折れそうなぐらい細い身体だ。

ミコトは俺の胸に身体を預け、泣きながらわがままを言う。
いつもこうやってわがままを言うミコトを、慰めていた萩はもういない。


「行かないで欲しい…
お兄ちゃんの幽霊なら、怖くない」

「未来のお医者様が、そんな非科学的なこと言うなよ」


わざとハハッと笑いながら身体を離すと、ミコトの髪を撫でた。

あの頃と同じ、クシャクシャと撫でると、ミコトのサラサラの髪から良い匂いがした。


「俺が、ずっと隣にいてやるから。
萩に言えなかったこと、ちゃんと伝えてやれ」


そう言ってミコトの手を握り、引いてやると、ミコトはフラフラな足を何とか動かし、2人で手を繋いだまま本堂へ向かった。


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