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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第4章 俺と萩原




萩原の葬式は、萩原に似合わねえほどしんみりしていた。

萩原のことが好きだった女がたくさん来て、啜り泣く声が絶えない。

寺に足を踏み入れると、縁側の柱にもたれ、目から涙を垂れ流しながらぼーっと庭を見るミコトを見つけた。


まるで壊れた人形のように、喚きもせず、しゃくりあげもせず、ただ涙だけがひたすら流れてはミコトの頬を濡らした。


「陣平」


ふと、誰かが名前を呼びながら俺の肩を叩いた。


「千速…」


千速は強い女だ。
ボロボロになってるミコトとは違い、気丈に振る舞い、弟の最期の世話をテキパキとこなしている。


「ミコト、何も食べないんだよ…
水もほとんど飲まないし。
…陣平、そばについててやって?」


俺は静かにミコトの隣に腰を下ろした。


「ミコト」


俺の呼びかけに、小さくぴく…と反応したミコトだが、何も返事をせずに変わらず庭を眺めている。


「飯、なんも食ってねぇんだろ?
千速から聞いた」

「…食べる気になれない」


消えそうな声でそう言うミコトに、俺は残酷なことを言う。
残酷だけど、これが現実なんだ…


「ミコト。今日で最後なんだ。
萩と、ちゃんとサヨナラしてやれ」

「…サヨナラなんて言いたくない」


そう言うとまたボロボロと泣きながらまた黙り込んだミコト。
萩が死んで、ずっと泣いてるんだろう。
目は擦りすぎて赤く腫れているし、頬には涙の跡が残るほどだ。




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