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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第31章 2人の部屋で初めての夜 ☆




セミダブルベッドの片側を半分開けた状態で、陣平くんは既に寝転がって目を閉じていた。


「もう寝た…?」


小さい声で話しかけると、陣平くんの目がぱち…と開いて、わたしの姿をとらえた。


「…いや?目ェ瞑ってただけ」

「隣、寝てもいい?」

「どーぞ」


そう言って陣平くんは、またゆっくり目を閉じた。

やっぱり今日はこのまま就寝だよね…


内心、ほんの少しがっかりしながら陣平くんが眠る隣に身体を寝かせた。

寝具もベッドも新調したから、前の家で感じた陣平くんの匂いが感じられず、寂しい気持ちになった。


「陣平くん」

「んー?」

「ぎゅーってして?」


陣平くんと一緒にいるのに、彼の匂いを感じないのは嫌だ。

そんな気持ちから、わたしは目を閉じる陣平くんにそう縋った。


「…今度な」


陣平くんはそれだけ言って、ゴロンと向こうを向いてしまった。

今度って…なんで?

今日から一緒に住み始めたのに、ぎゅーもしてくれないの?
家具組み立てるときは、わたしが抱きつくと嬉しそうにしてたのに…

陣平くんの真意がわからず、戸惑いを隠せなくて、わたしは陣平くんの背中にぴと…とおでこをつけた。


「好きなのに…」


ぽつりとそんな言葉が溢れた。




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